コラム・エッセイ

あなたの家にサンタクロースがやってくる!?NPO法人チャリティーサンタに参加した話 ~クリスマスイブ編~


初めてサンタさんになった日

これはNPO法人チャリティーサンタの活動に参加した、ある見習いサンタのお話です。

NPO法人チャリティーサンタとは?

「クリスマス・イブの夜、サンタさんが家庭を訪問して、プレゼントを配る」というチャリティ活動を行っている団体。
わたしはそのチャリティサンタに、ボランティアとして参加しました。

サンタさんになる講習会の様子はこちら

わたしがサンタさんになるまで~準備編~

24日の昼過ぎ。わたしは元住吉駅にある「川崎市国際交流センター」へ向かいました。

 

会場に到着すると、今日一緒に活動するグループの人たちに挨拶。
男二人・女性二人という編成で、町田市のお宅を訪問することになりました。

サンタ服に着替えよう!

スタッフによる説明が終わると、いよいよサンタ服に着替えます。
特注のサンタ衣装は、見た目も着心地も本格的。

サンタ服を着用して、そこに眉毛と口ひげを着ければ……

じゃーん。立派なサンタさんの誕生です!

会場を見渡すと、そこもかしこもサンタさんだらけ。

いざ、子どもたちの家へ!

すべての準備が終わったら、みんなで記念撮影です。
サンタさんが多すぎて、どれが自分かわかりません…

16時30分。
わたしたちは依頼のあったご家庭へ向けて出発しました。

町を歩いている間は通行人に向かって
「メリークリスマス!」
と陽気に声をかけます。

子どもがサンタさんを見た時の反応は、とても素敵でした。
ある子は「サンタさん~!」と手を振り返してくれたり、
ある子は嬉しさのあまり、キャーッと声をあげて走り出したり、
こちらまで楽しくなってしまいます。
そんないい子たちには、会場でもらった「サンタ飴」をプレゼント。
飴ちゃんでも、十分喜んでもらえました。

サンタ、電車に乗る

わたしたちの担当は町田市周辺のため、ソリを使っても良かったのですが、電車で移動。
サンタさんが電車に乗る光景は、我ながらシュールでした。

わたしはサービス精神を発揮したくて、乗客たちに
「メリークリスマス!」
と挨拶しながら、後部車両から先頭車両までを練り歩きました。

たいていの人はポカーンとしていたけれど、子どもたちは喜んでくれたので結果オーライです。

初めてのお宅訪問

依頼のあったご家庭に到着。
閑静な住宅街に建つ一軒家には、いい子が住んでいそうな予感がします。
わたしは「良い子ノート」と呼ばれるメモを開くと、訪問する子について確認しました。

・Rちゃん 6才
・ほめて欲しいこと
じぶんの名前が書けるようになった!
・応援してほしいこと
ピアノの練習をもっと頑張ってくれると嬉しい!

・Rくん 3才
・ほめて欲しいこと
保育園で元気いっぱいに遊んでいること!
・応援してほしいこと
これからも元気に過ごしてね

大丈夫、内容は頭にバッチリ入ってる。講習だって2回も参加したんだ、
自分ならきっと良いサンタさんになれる。

わたしは深呼吸すると、インターホンを鳴らします。
「はい、どなたですか?」
「お届け物でーす」

Rちゃんがドアを開けると、そこに立っていたのはサンタさん。
「HO-ho-ho! メリークリスマス!」
「わぁー、本当にサンタさんだー!」

サンタさんを見た時の、彼女の喜びようといったら!
目をらんらんと輝かせて、ぴょんぴょんと飛び跳ねて、全身で嬉しさを表現しています。
「ママー!サンタさん!サンタさん!本当にサンタさん来てくれた!」
「うんうん。Rちゃんがいい子にしてたから、今日は特別に会いに来たんだよ。

Rちゃんは何才だい?」
「6さい!」

Rちゃんは話している間、リビングに引っ込んだり、かと思ったら玄関に戻ってきたりと、大忙しです。
「そうなんだ!お母さんから聞いたんだけど、Rちゃんは、
自分の名前が書けるようになったんだってね。えらいね!」

「うん!」
「それと、Rちゃんはちゃんはピアノも練習しているんだって?」
「……あんまり」
「そうかい。ピアノもたくさん練習してくれると、サンタさん嬉しいな。
Rちゃん。これからも文字を書く練習や、ピアノの練習してくれるって、約束してくれるかな?」
「うん!」

続いて弟のRくんとお話。
Rくんはシャイなのかあまりおしゃべりできなかったけど、ずっとそばにいてくれたから、
少しは喜んでもらえたかな?

プレゼントを渡そう!

わたしはご両親が用意してくれたプレゼントを、Rちゃんたちに渡しました。
「ありがとうサンタさん!」
「ほら、R。あなたもサンタさんに上げるものがあるんじゃなかった?」
「あっ、そうだった!」
お母さんに言われて、Rちゃんはリビングに何かを取りに行きました。
「はい、サンタさんこれ!」
彼女が渡してくれたのは、瓶入りのキャンディでした。
「いいのかい?ありがとう!」

ああ。こんなに温かい気持ちになったのは、何年ぶりのことでしょう。
プレゼントって、あげる方も、もらほうも幸せになれますね。
「それじゃあ、サンタさんは他の子どもたちにもプレゼントを届けに行くね。
Rちゃん、Rくんがいい子にしていたら、また来るかもしれないよ。それじゃ、メリークリスマス!」

「ばいばい!」

こうして初めての訪問は終了。
終わったときは感無量で、しばらく言葉が出ませんでした。

あわてんぼうのサンタクロース

無事に訪問できたことにホッとしていると、メンバーから
「手ぶらだけど、プレゼントを入れる袋はどうしたんですか?」
「あっ……プレゼントと一緒に渡しちゃった!」
やっちまった。これでわたしも、あわてんぼうのサンタクロースの仲間入りです。
袋はメンバーが電話して、こっそり回収してくれました。ありがたや。

2軒目の訪問

駅に戻って電車に乗ると、また別のお宅へと向かいます。

今回も「良い子ノート」を読んで、話すことを確認します。

Sくん 10才
ほめて欲しいこと
・将棋大会に入賞したこと
応援してほしいこと
・宿題と日記は家に帰ったらすぐやってね

Mちゃん 6才
ほめて欲しいこと
・お米をといだり、宿題をやってくれてありがとう!
応援してほしいこと
・ピアノの練習、毎日やってね

さぁ、二軒目も張り切っていきましょう。
「こんばんは、お届け物でーす」
すると家の中から

「サンタさんじゃないのかよー!」
という男の子の声がしたので、思わず笑ってしまいました。
すかさずサンタさんが登場すると、

「うわっ、サンタさんだ!」と子どもたちは大喜び。

SくんもMちゃんも良い子で、サンタさんの話をしっかりと聞いてくれました。
二人ともシャイなのか、なかなか目を合わせてくれないので
「Sくん、緊張しているかい?」
「してないよ」
「じゃ、サンタさんと握手しようか」
「うん」
「はい、Mちゃんも」
「うん!」
小さな手が、わたしの手をきゅっと握り返してくれました。

サンタの訪問、終了!

三軒目の訪問をもう一人のメンバーが行い、これですべてのお宅訪問が終了しました。
「もう、限界に疲れた……」
横浜の打ち上げ会場に到着したのは午後10時。
会場を出たのが午後4時30分だから、5時間以上も移動していたことになります。町田市って広い……

でも、胸の中は子どもたちの笑顔や、やりきった達成感でいっぱいで、幸せな気持ちでした。

ボランティア活動を終えて

チャリティサンタの活動のおかげで、とても幸せなクリスマスイブを過ごすことができました。
誰かのために行動すること。誰かに贈り物をすること。
どちらも、人生をとても豊かにしてくれます。

今はインターネットでどんな情報も手に入る時代です。
頭でっかちのリアリストばかりで、「サンタさん」のようなファンタジックでワクワクする存在は、
なかなか信じてもらえなくなっているかもしれません。
それでも、この活動を通じて「サンタさんを信じる子ども」が一人でも増えてくれたら嬉しいな、
と思いました。

このブログを見て少しでも活動に興味を持った人は、来年のクリスマスはぜひ申し込むことをおすすめします!
子どもの頃、サンタさんからもらったワクワクを、今度はわたしたちが届けに行く番です。

NPO法人チャリティーサンタについて
https://www.charity-santa.com/

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