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小田原~東京を歩いて横断しよう。東京エクストリームウォーク100に参加!
ーー2019年11月2日ーー
26時間、寝ないで歩けますか?
このブログでは、朝日新聞社が開催する
「東京エクストリームウォーク100」の様子をご紹介します!
東京エクストリームウォーク100は、
「小田原城址公園」から築地にある「朝日新聞本社」までの100kmを横断するレース。
寝ないで丸一日歩き続けるという、
まさにエクストリームなレースです。
レースの制限時間は26時間。
時速4kmで歩いた時の所要時間は25時間で、
ロスタイムは60分しかありません。
レーススタート!しかし気分は負け戦
レース当日の朝。
小田原のゲストハウスに前泊したわたしは、
スタート地点の「小田原城址公園」に向かいます。
今回の参加人数は約1,500人とのこと。
人が多くて、受付をするだけでも一苦労。
待っている間、わたしはずっと
「レースを棄権して、このまま家に帰っちゃおうかな……」
と考えていました。
というのも、右足のふくらはぎがパンパンに張っていて、
歩くだけで痛いのです。
原因は「7日前に40km歩いたから」だろうな……。
「レース直前にあんなに張り切らなきゃ良かった」と悔やみつつも、
とりあえず受付を済ませました。
スタート~平塚競輪場
午前9時、レーススタート。(0km~23km・0分経過)
※出典:東京エクストリームウォーク100
今回は参加者が多いため、4つに分けられた
グループごとのスタートになります。
何時にスタートしても制限時間は同じで、
「先にスタートした人が有利」です。
わたしは9時30分頃にスタートしました。
ダメだ、やっぱり足が痛い。
気分はすっかり負け戦で
「最低でも40kmまでは歩こう」と、
かなり消極的でした。
出発してしばらく歩くと「酒匂川」を通過。
午後2時15分。第1エイド「平塚競輪場」に到着。
わたしは「エイドでしか休憩しない」というスタイルのため、
23km先のエイドは少し遠く感じました。
飲み物を補給し、トイレを済ませると、すぐに出発します。
平塚競輪場~湘南海岸公園
相模川を通過。(23km~36km・5時間15分経過)
レース中はよく、赤信号につかまることがありました。
信号を待つ間はストレッチをして、筋肉をほぐします。
100kmウォークではすっかり見慣れた光景です。
茅ヶ崎市に入ると、海岸沿いの道をウォーキング。
潮風の匂いに、かすかな波の音。
やっぱり海岸沿いを歩くのは気持ちがいい!
午後5時過ぎ。
夕陽が沈み、夜の帳が下ります。
日が沈んだということは、ちょうどレースの中盤あたりかな。
夕暮れ時の江ノ島はとても神秘的でした。
波に乗るサーファーや、光を投げる灯台が薄闇に浮かんでいて、
まるで絵画のような光景だったのです。
景色は良いけれど、足の痛みは最悪。
「もう、次のエイドでリタイアしようかな…」
と弱気になることもありました。
でも、100kmウォーク経験者の自分が、
40kmでリタイアはかっこ悪い。
「お前ならできる、お前ならできる……」と自分を励まして、
とにかく気分を盛り上げました。
午後5時23分。
第1チェックポイントの「湘南海岸公園」に到着。
このチェックポイントには「関門時間」が設定されており、
関門時間の「午後6時30分」までに通過できないと失格となります。
自分は5時20分の到着だから、猶予は1時間。
体力がある今のうちに、時間を稼いでおきたいところです。
エイドで配られているバナナを食べたら
すぐに出発します。
湘南海岸公園~戸塚十ノ区あじさい公園
湘南を出て次に目指すのは「戸塚区」。(36km~47km・8時間23分経過)
エイドを出てしばらく歩くと、突然「ウォーキングハイ」になりました。
痛みや辛さが限界を越えたのでしょう。
「足の痛みがすーっと消えると、体中に元気があふれ出した」のです。(脳内麻薬?)
この時、なんの根拠もないけれど
「あっ、俺100km歩けるかも」という気持ちが湧いてきました。
そんな時に「東京まで49km」という標識を発見。
いいぞ、あと50kmなら行ける……!
ここでも「お前ならできる、お前ならできる……」
とつぶやいて、気持ちを高めます。
午後8時、第2エイドの「戸塚十ノ区あじさい公園」に到着。
配られている「一口まんじゅう」を食べ、
すぐに出発します。
戸塚十ノ区あじさい公園~横浜市児童遊園地
横浜市・戸塚区を歩きます。(47km~55km・11時間経過)
町並みも横浜らしく、にぎやかになってきました。
ただこのエリアは坂道が多くて、肉体への負担は高めです。
そろそろバテてきたので、秘密兵器「はちみつ」を投入。
「チューブはちみつ」を、ガーッと直飲みします。
頭をぶん殴られたような甘さが、疲れた体に喝をいれてくれました。
が、その1時間後、お腹がくだってしまう事態に。
うかつだった。お腹を壊すと、すごく体力を消耗するな……
午後10時30分、第2チェックポイントの
「横浜市児童遊園地 遊具広場」に到着。
関門時間は「午後11時25分」。
少しペースが落ちているかも?
さっきお腹を下したため、体力・精神ともにつらい状態でした。
眠気もたまっており、気を抜くと意識がふっと遠のいてしまいます。
タイマーを15分に設定すると、休憩スペースで仮眠。
意識がふわふわして気持ちいい……
アラームが鳴ったら、すぐに起き上がって出発します。
このレースは時間に余裕がないので、
「ダラダラ休憩しない」のが肝心。
横浜市児童遊園地~ポートサイド公園
横浜中華街の門の前を通過。(56km~70km・13時間30分経過)
もう横浜まで来たかと、嬉しくなりました。
横浜のライトアップされた幻想的な景色が、
旅の疲れを癒やしてくれます。
時刻は深夜0時を回ったけど、不思議と眠くありません。
タイマーを10分にセットし、芝生で仮眠。
本当はエイドごとに「おしるこ」「ミニプリン」などのおやつが振る舞われているのですが、
今回はタイム優先のためほとんど利用しませんでした。
ポートサイド公園~稲毛神社
大丈夫だと思っていた足の痛みも、そろそろ限界気味。(70km~81km・20時間40分経過)
ほんの少しでもペースを上げると、右ふくらはぎが「ピキッ」と張って、
肉離れを起こしそうになるのです。とんでもない爆弾を抱えてしまったな。
夜明けを迎える
午前5時。川崎市を歩いていたあたりで空がうっすらと白み始めたと思うと、
夜が明けていきました。
わたしは100kmウォーキングの中で、
夜明けの時間帯が一番好きです。
朝焼けがとてもキレイだし、
「いよいよレース終盤だな!」
と、気合も入ります。
午前5時40分、第4エイドの「稲毛神社」に到着。
タイマーを15分にセットすると仮眠。
でも、5分ほど経ったところで「じっとしていられない気持ち」になり、
やっぱり出発することに。
この時の判断に、あとで大きく助けられることになります。
稲毛神社~鈴ヶ森道路児童遊園
東京に帰還!
川崎市を抜け、多摩川を渡った先は「東京都・大田区」。(81km~89km・20時間40分経過)
ついに東京に帰ってきたぞ!
タイミングもバッチリで、
多摩川を通りかかったところで
ちょうど日の出を見られました。
午前8時、第3チェックポイントの「鈴ヶ森道路児童遊園」に到着。
関門時間は「8時15分」でした。
危ない、あと15分でタイムリミットだった……!
休憩を短めにして稼いだタイムが、ここで生きたようです。
それにしてもゴールの手前でチェックポイントとは、血も涙もないな……
わかめスープを飲んでいると、
スタッフさんが大声で
「みなさん、ゴールの朝日新聞社までは、ここから11kmです!11時にレース終了なので、
あと3時間でゴールしてください!」
と呼びかけました。
レース終了まであと3時間!
休憩する時間なんてありません。すぐに出発します。
小田原から東京まで歩こう!東京エクストリームウォーク100に参加した話 その2へ
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