中山道を歩いて京都まで行ってみた話 【埼玉県~長野県】 その1から
6日目 群馬県安中市~長野県軽井沢町(※地図参照「中山道歩き旅」)
朝。
「高崎ワシントンホテルプラザ」を出ると、電車に乗って高崎駅から松井田駅まで戻ります。
松井田駅から先へと進むと、ほとんど人気のない田舎道に出ました。
峠が近いのか、どんどん山が深くなっていくのを感じます。
この町で旅人は珍しいのか、歩いていると2人の人から声をかけられました。
「兄ちゃん、どこ行くんだい?」
「碓氷峠を越えて、軽井沢へ行きます」
「おっ、碓氷峠か!頑張れよ!」
中山道の難所・碓氷峠へ
お昼を少し過ぎたころ、
「中山道 安静遠足峠コース」という道を発見。おっ、これが碓氷峠の入り口か?
実は碓氷峠の入り口はグーグルマップでは見つけられず、知らずに通り過ぎたらどうしようかと不安だったのです。
峠に入る前におにぎりとお茶を飲んでしっかり腹ごしらえすると、コースに突入。
少し歩くと国道に抜け、改めて碓氷峠の入り口を発見。
立て札の奥には、森の中へと続く細い道が続いています。
「こんな山道を歩いて、本当に軽井沢へ行けるのかな?」
半信半疑になりつつも、碓氷峠へと足を踏み入れました。いざ、軽井沢へ!
峠道はひっそりとしていて、まったく人気を感じません。
足元には大量の落ち葉が詰まっていて、膝まで埋まりそうなほどでした。
しばらく歩くと「覗き」と呼ばれる名所に到達。
自分が通ってきた道を一度に見渡せる、なかなかの絶景ポイントです。
碓氷峠はあまり手入れがされていないのか、倒木が道を塞いでいることがほとんど。
また、落ち葉が深すぎて、うっかりルートを外れてしまいそうなこともありました。
まるで前人未到の道を開拓しているような気分になります。
道に迷う
ある川に差し掛かったときのことです。
「あっ、水が凍ってる!」
なんと川の水が凍り、巨大な塊ができていました。
わたしは千葉の出身ですが、川が凍るなんて聞いたこともありません。
それで、川から先はどこへ進めばいいのでしょう?
とりあえず川の上流を目指して歩いてみるも、どんどん道が険しくなって、ついには道がなくなってしまいました。
仕方なく元の場所へ戻ろうとするも……ここ、どこだ? 道がないぞ。
心臓に冷たい血が流れたような、ざわっとした気配を感じます。考えたくない、考えたくないけど……
道に迷った。
幸いスマホのGPSは使えるので、おおよその位置を把握すると、メインルートに戻ることができました。
迷っていた時間は20分ほどだったけど、山道で迷うのは相当怖かったです。
ちなみに正解の道は、川をまっすぐ渡った先にありました。
再び進み始めると、霜が降りている道を歩きます。標高が高くなっているのかな?
碓氷峠を踏破。そして軽井沢へ
碓氷峠の終わりは、突然訪れました。
広い道に出たかと思うと、「熊野神社」や「力餅」を売る茶屋などが現れたのです。
碓氷峠の頂上は凍えるほどの寒さでした。
スマホの気温計を見ると、なんと気温0°。まだ午後3時なのに、こんなに寒いなんて!
山道を降りていくと、大きな別荘を発見。少しずつ軽井沢らしさが出てきました。
そして、「軽井沢ショー記念礼拝堂」を抜けると、
「本当に軽井沢に着いた……」
わたしは旧軽井沢銀座を歩いていました。
さっきまで群馬の山奥にいたのに、今や軽井沢のオシャレな通りを歩いている。
この時の感動は、今でも忘れることができません。
東海道を歩いていた時、箱根峠を越えて神奈川から静岡に渡ったときも、こんな気分でした。
国内といえども、峠を一つ越えるとそこにはまったく違う土地が広がっているのです。
意外だったのは、商店街のお店は年末でもそこそこ開いていたことです。
宿泊先のペンションの人に聞くと、冬は冬でイルミネーションなどのイベントがあるのだそう。
ペンションで年越し
旧軽井沢銀座を抜けると、宿泊予定のペンション「佐藤のぬくもり」に到着。
オフシーズンなら3,000円近くで泊まれるけれど、年末なので3倍近い値段でした。
晩御飯を買い忘れてしまい、今から外に出るのも寒いので、夕食は食堂で
「おにぎりともつ煮込み」をいただきます。
夕食が済むと、部屋でダラダラ。旅先で新年を迎えるのは初めてのことで、なんだか落ち着きません。
今年1年を振り返って見ると「すごく辛いけど楽しい1年だった」という感じ。
やがてテレビから除夜の鐘の音が流れ、2018年になりました。
明日も旅が続くため、正月のお祝いムードもそこそこに寝ることに。
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