トイピルカを出発して、釧路へ!
今日の天気はくもり。北海道に来てから晴天にめぐまれず、
もどかしい気持ちです。
午前8時10分。ご主人が車でバス停まで送ってくれました。
奥さんに見送られながらトイピルカを出発。
帯広駅に行くとホームで電車を待ちます。次の目的地は釧路。
乗車した「スーパーおおぞら」は、カーブ時に車体が左右に傾く「振り子式車両」というタイプの車両。
カーブのたびにガンガン揺れるので、生まれて初めて電車で酔いました。
海沿いの線路を電車は進みます。
車窓から前方を見ていると、弧形をした陸地がうっすらと見えてきて、
あれが釧路だろうかと胸が高鳴りました。
午前10時51分。釧路駅に到着。
電車を降りると、雨上がりのようにひんやりと濡れた空気を肌に感じます。
外は冬のように寒くて、この時初めて、自分が遠くに来たことを実感しました。
釧路駅周辺を散策しよう!
ここから先は全くノープランの旅。
とりあえず改札を出たところにある待合室で、宿を探しました。
調べた結果、チェックインが午後1時から可能な「コンフォートイン」というホテルに決定。
ホテルの予約をオンラインで済ませると観光案内所で地図をもらい、町に繰り出します。
町は白い霧にぼんやり包まれていました。
昼間から霧が立ち込める町を歩くのは、生まれて初めての経験です。
釧路の大通りはシャッターが閉まった店が多く、少し寂しい感じ。
ただ、町中にはスピーカーが据えつけられていて、そちらは紳士服や料理店のCM、
振り込め詐欺を啓蒙する放送など、やたら賑やかでした。
霧に包まれた人気のない町で、機械が誰にともなく大声でしゃべり続けている様子は、
何かのSF小説のようです。
幣舞橋(ぬさまいばし)の手前を右に曲がると、市役所や郵便局や物産展、
さらにはハローワークまで集まった複合施設『MOO』に到着。
施設に入ると、中をぶらぶら。
『MOO』を出ると、釧路川沿いを散歩。辺りは潮の香りが強く、カモメ飛んでいるのを発見。
今まで、釧路というと「釧路湿原」のイメージしかなかったため、こうして釧路の港町を歩くのは、
少し不思議な感じでした。
駅に戻ると昼食をとることに。
駅前の喫茶店に行くと、「釧路石炭ラーメン」というものがあったので、物珍しさ優先でオーダー。
竹炭が入っているらしく麺は真っ黒で、味はシンプルな醤油ラーメンでした。
午後1時を過ぎたので、ホテルにチェックイン。
部屋に入ると、ベッドで休んだ。ゲストハウスもユースホステルも、値段は安いしご飯はおいしいけれど、
やっぱりホテルが一番気楽でいいな。ホテルなら主要な駅から近いし、
自分でベッドを用意する必要もないし、ご飯の時間も決まっていないし、好きな場所で食事できるし、
旅の自由度が広がります。
自分のような行き当たりばったりの人間には、駅前のビジネスホテルが合っているようです。
とれたての海鮮物がいっぱい!和商へ
夕方。このままゴロゴロしているのも暇なので、
駅のすぐ近くにある和商という市場へ。
建物の中には魚売場がひしめきあっていて、真っ赤な花咲ガニやら
巨大な「時知らず」という鮭やらが売っていて、ながめているだけで楽しい光景です。
市場は活気があり、銀鮭を売っている兄ちゃんに
「なにかお探しかい?」と声をかけられたり、カニを売っているおばちゃんには
「なにか買ってってよ。あんた、東京に住んでるの?
それなら送料は1,270円だけど、箱のアイス代はおまけするよ」
と呼びかけられたりして、親しみが感じられます。
あるお店で、花咲ガニと毛ガニを試食。おいしくないカニは海水みたいな味がするけど、
花咲ガニも毛ガニも身がしまっていて、カニの旨味たっぷりでした。
市場内にある食堂には様々な海鮮丼があったけど、値段がどれも高価。
しかも、いくら丼とかうに丼といった、ネタの種類が少ないものしかありませんでした。
ふと、おつまみサイズの刺身を売っているお店を発見。
縁側(150円)と、思い切って大トロ(380円)を食べてみることに。
会計の際、店のおばちゃんが
「縁側は最後に食べてね。縁側の方が、脂があるからね」
と教えてくれたので、まずはぷりっぷりの大トロから。
身が厚くて、クキクキとした歯ごたえがあり、大満足でした。
続いて縁側。これが絶品で、身はコリコリと弾力があり、脂身が舌の上でトロリと溶けていく、
うっとりするようなおいしさ。
今までの人生で食べた、どんな縁側にも敵わない。それほどのおいしさでした。
そのあとも市場をうろうろしていると、ある男性の店員が突然、
「勝手丼、食べたいの? それならそこの店でご飯買って、ご飯を持って来なよ」
と、あまりにも的確すぎるアドバイスをしてくれました。そうか、勝手丼があったか!
勝手丼とは、白飯だけを買って、そこに好きなネタを乗せて食べる丼のこと。
旅に出る前に「まっぷる」で読んだはずなのに、すっかり失念していました。
それにしても、この店員さんは人の心が読めるのでしょうか。
いきなり「勝手丼食べたいの?」と言われて、正直困惑レベルです。
「勝手丼を食べるなら、あそこにあるラーメン屋に行きな。ご飯だけ売ってくれるよ」
店員さんに言われた通り、ラーメン屋で小サイズのご飯(100円)と、カニ汁(150円)を購入。
そして、アドバイスをくれた店員さんの店でネタを選びます。
ネタは色々あって迷ったけど、
・くじら(200円)
・塩水うに(300円)
・花咲ガニ(200円)
の3つを購入。
「なにかオススメはありますか?」と聞くと、
今の時期は時知らず鮭(200円)がオススメだと言われたので、それも買った。
喫茶スペースに行くと、贅沢な4品をたっぷりと堪能。どれも文句なしにおいしかったです。
くじらは身がぷりぷりで、歯ごたえがバツグン。
自分が今までに食べたくじらの肉はどれも臭かったけど、
ここのくじらは全く臭味がなくて、食べやすかったです。
味は、焼肉屋で食べる生レバーのような味。
鮭も、臭くなくて食べやすい味でした。自分が今まで食べてきた鮭は、どれも生臭かったり、
塩気が強いものばかりだったんだなと実感します。
わたしの二つ後ろのテーブルでは、大柄なカップルが座っていて、大きな花咲ガニを、
その場でばらして食べていました。ワイルド。
ここまで来たらとことん食べようと、先程のお店でいくら(200円)を購入。
するとテレパシーが使える店員さんが、「おまけだよ」と言って、たこの刺し身をくれました。
勝手丼は大満足のご当地グルメでした。もしかしたら観光客料金なのかもしれないけれど、それでも
満足です。
そろそろ店じまいが始まった市場を後にすると、コンビニで「ソフトカツゲン」という、
北海道限定とかかれた乳酸飲料を購入(300ml・98円)。味はよくある乳酸飲料の味でした。
ホテルの部屋に戻ると、夕食の時間までしばらく休憩。
時間がある時は、旅の日記をつけることで時間を潰していました。
「岸壁ろばた」で夕食
夜。小腹が空いてきたので、昼の間に見つけた「岸壁ろばた」という炉端焼きの店へ。
テントの中に入ると、はっぴを着た店員のおじさんから説明を受けた。
この店では最初に1,000円分の食券を買い、その食券で好きな物を取っていくのだそう。
店内にはいくつかのブースがあり、様々な海産物が陳列されています。
大きなホタテ貝から1足2,000円のタラバガニまで、
ありとあらゆる食材が並んでおり、思わず目移りしてしまうほど。
殻付きの牡蠣(200円)と、ホタテ(400円)と、ウーロン茶(200円)と、
お口直しの鳥串(100円)を購入。店員さんが、テーブルに備えられている炭火で焼いてくれます。
牡蠣はまるで、岩石のような大きさ。殻がついているというだけで、
不思議とふだんの牡蠣よりも何倍もおいしそうに見えます。
牡蠣が焼き上がると、店員さんが殻をこじ開けてからお皿にのせてくれました。
食べてみると汁気が多くて、とてもジューシー。
ホタテも汁がドロドロに溢れていて、しょうゆをかけて食べると美味。
どの部分も身がしまっていて、食べごたえがありました。
もう400円分の食券を買うと、(一度1,000円の食券を買うと、次からは100円単位で食券を買えた)
さっきあまった100円とあわせて、タン串(100円)と砂肝串(100円)と、エビ(300円)を焼きます。
エビを焼いていると、白く焼けた身が飛び出したので、お皿にあけます。
頭の部分をかじると、中から塩気の詰まったミソがぴゅっと飛び出て、深い味わい。
どの部分も塩気がぎゅっと詰まっていて、エビがそこまで好きでない自分でも、おいしく食べられました。
店内には、3世代そろった家族や、地元の若者集団など、いろいろな客層がいました。
夜が更けるにつれ、店内はどんどん賑わいを増していきます。
店を出るとホテルへ。
大通りはすっかり人気が失せ、もの悲しい雰囲気。
それに拍車をかけるかのように、霧があたりを包み込んでいました。
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